不動産売却におけるインスペクションとは?メリットや費用について解説

不動産売却におけるインスペクションとは?メリットや費用について解説

不動産売却を検討中の方にとって、建物の状態を知りたいと考えている方が多いことでしょう。
建物の状態を知らないで市場に出してしまうと、価値が高いのに安値にしたり、価値が低いのに高値にしたりで損失が大きくなります。
そこで本記事では、建物の状態を知るために必要な「インスペクション」について解説します。
用語の解説はもちろんのこと、メリットや費用についても解説するため、参考にしてみてください。

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不動産売却におけるインスペクションとは?

不動産売却におけるインスペクションとは?

まずは基本情報として、不動産売却におけるインスペクションとは何かを確認しましょう。

概要

インスペクションとは、売買する住宅を診断することで、英語のInspection自体が調査・視察・査察を意味します。
診断するのは買主でも売主でもない第三者で、建築士や住宅診断士などの豊富な知識を有している専門家です。
建築士は国家資格である一級建築士、二級建築士、木造建築士の3つのうち、いずれかを取得している人を指します。
学歴と実務経験を積んだ方がなれる職業で、試験の合格率が1割〜2割程度しかないため、安心して任せられるでしょう。
住宅診断士はホームインスペクターとも呼ばれ、民間資格になりますが建築士と同じく住宅の診断をします。

目的

インスペクションで住宅の状態を調べると、一見気付きにくい建物の欠陥や劣化が見つかります。
たとえば肉眼で気付きにくい基礎や土台など、住宅診断の依頼をすれば状態がわかるのが魅力です。
他にも安全性であれば柱や壁、床などを診断し、雨漏りであれば天井や屋根などを診断してくれます。
また、雨漏りに関しては実際になっていなくても、雨漏りが発生する可能性も考慮してくれるのがポイントです。
そのほか日常生活で重大な役割を担っている給水管や給湯管、排水管などのチェックもしてくれます。
修繕が必要な場合は、建築士や住宅診断士が適切なタイミングを教えてくれるので安心です。

必要性

2018年4月の宅地建物取引業法改正によって、インスペクションについての説明が義務化されました。
ただしこの説明義務を負うのは不動産会社で、売主や買主がインスペクションを実施するかどうかは自由です。
国土交通省が定めるインスペクションの対象は中古物件のみで、これからの売買における取引で流通量が増えることでしょう。
新築物件は対象外ですが、民間事業者によるインスペクションもあるため、トラブル防止のために実施しても良いでしょう。
また、2020年4月の民法改正によって契約書と物件の状態が一致しない場合に売主の責任が重く課せられるようになりました。
インスペクションは専門家の検査で家の状態がわかるため、売却時には取り入れたいポイントです。

不動産売却におけるインスペクションのメリット

不動産売却におけるインスペクションのメリット

インスペクションの意味や役割について解説しましたが、果たしてどのようなメリットがあるのでしょうか?
メリットを理解すれば、売買のトラブルが起きずに安心して取引ができます。

安心して売却に臨める

1つ目は、安心して売却に臨めるメリットがあります。
インスペクションを実施すれば、売主が見つけられない瑕疵(かし)を発見してくれるため安心です。
瑕疵とは、不動産の欠陥を指し、住環境に悪い影響を及ぼす不具合が当てはまります。
たとえば雨がなかなか降らない地域で不動産売却をするとき、雨漏りしているかどうかは売主だけだと確認しにくいです。
他にも給排水管に問題がないのかチェックしたり、見逃しやすいシロアリ被害もあったりして、不具合は気付かないだけでたくさんあります。
知らずに売却してしまうと買主は困ってしまうため、住宅診断の依頼をするだけで不安になることなく売却に臨めます。

不動産の状態を把握できる

2つ目は、不動産の状態を把握できるメリットがあります。
インスペクションで診断してもらわない限り、不動産の状況を把握できる方は少ないものです。
新築して数年程度であれば問題ありませんが、築年数の経った中古住宅では欠陥が見つかることが多くあります。
しかし、中古住宅でも大事に使っていてきれいな状態であれば、購入価格が大きく下がることはないでしょう。
また、インスペクションで診断した内容が価格に影響すると、買主は価値を見出しやすいです。
とくに現状渡しであれば補修に費用をかけずに済むため、大きなメリットといえるでしょう。

トラブルの抑制に繋がる

3つ目は、トラブルの抑制に繋がるメリットがあります。
従来の不動産売却だと、実際の建物と掲示されていた情報が一致せず、トラブルになることが多々ありました。
とくに売主はできるだけ高値で売れてほしいため、建物の不具合があっても簡単な補修で隠してしまうものです。
しかし民法における売主の負担が大きくなり、インスペクションが推奨される現代では、できるだけトラブルを避けた売買が望ましいといえます。
個人間売買では、売主・買主相互の信頼にもつながってくる問題であるため、インスペクションの実施については前向きに検討したいものです。

不動産売却におけるインスペクションの費用

不動産売却におけるインスペクションの費用

雨漏り・シロアリ被害・給排水管などのチェックをすると、気になるのは費用です。
売買取引で重要な役割を担うため高価なイメージがありますが、マンションや一戸建てで費用が異なります。
どれくらいの費用がかかるのか、確認してみましょう。

費用

インスペクションにかかる費用は、約5万円です。
オプションの追加や面積の広さで異なりますが、10万円以上かかることは少ないです。
ただし、マンションよりも一戸建ての方が費用が高く、検査箇所が多いほど費用は高くなります。
理由は一戸建てだと基礎や屋根裏などの調査が簡単にできますが、マンションだとそういった調査が難しいからです。
つまり、マンションでインスペクションを実行しても、目視で確認できる範囲でしか調査できません。

費用負担

インスペクションの費用負担は買主が多く、売主は少ないです。
買主は購入した不動産が欠陥住宅であるリスクを避けるために診断を依頼し、安心して売買契約を結ぶ狙いがあります。
反対に売主が住宅診断を実施する場合は、買主に安心感を与えつつ、早めに売れるようにするための策でもあります。
ただし、なかには売主が依頼した住宅診断が客観的な立場で診断したのかが不安になり、信用性に差が出る場合もあります。
数百万円、数千万円のお金が動く取引なので、慎重に検討したい買主が依頼するケースが多いです。

実施時間

インスペクションの実施時間は約2時間で、診断箇所が多いとさらにかかります。
たとえばマンションであれば診断箇所が少ないため、2時間前後で診断が終わるでしょう。
しかし、一戸建てになると診断箇所が多く、建物の規模や追加のオプション次第になります。
調査にどのような機材を使用しているのかもポイントですが、これについては依頼する業者によって異なります。
機材が多いと調べる範囲が広くなり、費用も高くなってしまいます。
出費を抑えたい方はバランスを考え、信頼のできる業者に依頼しましょう。
とくに調査の報告書がきちんとしていると、丁寧でしっかりとした仕事をしている業者だと判断できるでしょう。

まとめ

不動産売却におけるインスペクションとは、建物を診断することです。
状態を確認できるため、リスクを抑えて安全に売買取引ができます。
費用相場は約5万円ですが、一戸建ては目視で確認できない箇所まで診断するためマンションよりも少し高くなります。

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