プロパンガスは都市ガスと比較すると料金が高くなる傾向にあります。
しかし、賃貸物件で多いのはプロパンガスです。
都市ガスのほうが人気があるため、空室対策にも有効ですが、なぜプロパンガスが多いのでしょうか。
そこで今回は、賃貸物件にプロパンガスが多い理由や、都市ガスに変更し空室対策をおこなう方法について解説します。
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住宅で扱うガスには、都市・集中プロパン・個別プロパンの3種類あります。
ここでは、それぞれの特徴をご紹介したうえで、そのなかでもプロパンが多い理由について解説します。
都市ガス
天然ガスや石油系ガスなどの原料により多少異なりますが、製造所から地中に埋設されている導管を通して、広範囲の住宅や施設などに供給しています。
主成分はメタンであるため、空気より軽いのが特徴です。
メタンは無色・無臭であり、ガス漏れ時には気付きやすくするため付臭剤を混ぜるといった工夫がされています。
しかし、都市ガス事業者の数は少なく、東京・大阪・東邦の大手3社が約7割の供給量を占めているとも言われています。
プロパンガス
LPGと表記された液化石油ガスのことで、供給方法によって「集中」「個別」に区別されます。
集中は、街区の1か所にボンベを格納するプロパン庫やボンベ庫があり、そこから地中配管を通して各住宅に供給するという仕組みです。
一方、個別はボンベを各住宅に設置し、個別に配管や供給ができる方式をいいます。
また、アパートやマンションでは、大容量のバルクタンクを設置することもあります。
プロパンは空気よりも重いのが特徴ですが、無色・無臭で付臭剤が使われているのは同じです。
続いて、賃貸にプロパンが多い理由について解説します。
地域が限定されるため
都市ガスは、ある程度人口の多いところで供給されているため、地域が限定されてしまいます。
事業者が製造所と配管などのインフラに設備投資しているため、採算の取れる条件でなければ事業としては成り立ちません。
したがって、利用可能な地域が限定されるため、プロパンを利用するところが多いのが実情です。
メリットが多いため
賃貸経営をするうえで、プロパンのほうがメリットが多いという点も理由のひとつです。
設備を使用するにあたって、ボンベや器具などの配管工事、給湯器や調理器などの器具の工事が必要となります。
これらには、一戸あたり数十万円の費用が発生します。
しかし、この費用を事業者が負担し、オーナーは条件に基づいて配管や設備機器を貸し付けることで、供給がおこなわれる仕組みです。
つまり、賃貸物件に10〜20年間供給させてもらう代わりに、初期費用を事業者が負担するということです。
この方法を以前は「無償貸与契約」と言われていました。
なお、現在は設備や配管類の利用料金を明確にするため「液化石油ガス法」によって定められ、中途解約時の買取費用についても徴収することを明記した契約書に変更されています。
都市ガスに変更し空室対策をおこなう方法
賃貸物件が都市ガスの供給地域にあるのであれば、変更することができます。
変更することにより、入居率が上がることも期待できますが、工事費用や交換費用はオーナー負担となるため注意が必要です。
ここでは、都市ガスに変更する際の費用や手続き、注意点について解説します。
変更費用
まずは、費用についてです。
道路に埋設された導管からの引き込み工事が必要となり、この際の費用は15万円程度です。
しかし、道路幅が広く中心線より反対側に設置されている場合は、さらに費用が高くなります。
また、各戸別のメーターや配管は従来のものが使用できないため、すべて交換しなければなりません。
配管工事が一戸につき10万円程度、さらにほかの器具の交換費用も発生するため注意が必要です。
変更手続き
続いて、変更手続きについてです。
まずは、会社を選択し工事費や器具の交換費用の見積もりを依頼します。
納得したうえで、契約を締結しプロパンのほうを解約します。
その後、工事の日程調整がおこなわれ、工事が完了すると供給開始です。
会社選択では、自由化とされているため、複数の会社から選択することが可能です。
料金や機器の費用、リース料金なども比較し、複数の会社に見積りを依頼するようにしましょう。
変更する際の注意点
工事が開始すると、使用不可能な期間が発生します。
そのため、入居者との調整が必要になり、スケジュールを把握したうえで生活に支障のないような工夫をしなければなりません。
また、プロパンの解約手続きの際は、使用料や買取費用などの清算をおこなう必要があります。
プロパンガスのまま空室対策をおこなう方法
上記では、都市に変更し空室対策をおこなう方法についてご説明しましたが、供給対象の地域ではないという場合もあるでしょう。
ここでは、プロパンのまま空室対策をおこなう方法について解説します。
契約会社を変更する
全国には約2万社のガス事業者があります。
そのため、料金やサービス内容は会社によって大きく異なります。
現在の事業者と比較し、料金やサービスが優れている場合は変更するのがおすすめです。
事業者を変更する際は、設備機器なども新しいものに交換することも少なくありません。
交換時期が近い場合は、事業者変更に伴う解約金も少額で済むこともあるでしょう。
そうすると、新規の事業者での負担も軽減されるため、ちょうど良いタイミングでの交換といえるでしょう。
変更する際の流れは、まず乗り換え先の会社候補を選びます。
インターネットで調べたり、知人からご紹介を受けたりすると良いでしょう。
そして、物件を実際に見てもらい、見積りを依頼します。
ここでは、複数の事業者に依頼しておくと良いでしょう。
契約期間や料金、条件などを比較検討し会社を決定します。
工事の日程調整ができ次第、切り替え工事の開始です。
また、入居者や不動産会社に対する連絡事項や解約連絡などは、事業者がすべておこなってくれます。
したがって、切り替える際に手間がかからないのがメリットです。
工事費用も一般的には無償で、工事の際の立会いも不要であるため、多忙の方でも安心してお任せすることができるでしょう。
具体的な工事内容は、ボンベやメーターなど屋外にある設備交換の工事が半日程度かかります。
その後、各戸別に設備点検や漏れがないかの点検に30分程度かかるというような流れです。
乗り換え時の注意点
プロパンでは、設備の無償貸与という条件に注意しなければなりません。
基本的には、10〜15年の契約期間の縛りがある会社がほとんどです。
その契約期間内に解約した場合は、解約金として当初の設備費用を負担しなければならないため、途中解約をしないことを前提に契約を締結しましょう。
しかし、なかには途中解約しないことを逆手に、基本料を上げたり、告知なしで大幅な料金引き上げをおこなう会社もあります。
料金が相場より高くなると、空室率が上がってしまう原因にもなりかねません。
空室対策としての設備投資であるため、会社を選ぶ際は契約内容をしっかり確認したうえで、総合的に判断するようにしましょう。
まとめ
賃貸物件でプロパンが多い理由は、単に都市ガスの地域が限定されていることと、オーナーにとってのメリットが多いためです。
対象の供給地域であれば、都市ガスに変更可能であるため、空室対策をおこなううえでは非常に効果的です。
しかし、対象地域ではなかった場合は、契約内容を見直しガス事業者の乗り換えも検討すると良いでしょう。
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