住まいを借りる際、物件所有者(大家さん)や管理会社(不動産会社)と賃貸借契約書を作って、賃貸契約を交わす必要があります。
ところが、実際にその賃貸借契約書を読むと、項目の多さと細かさに面倒を感じ、熟読をおろそかにしてしまう方も多いのではないでしょうか。
あいまいなまま入居してトラブルを招くことのないよう、どんな項目があるのかをしっかりと把握し、注意点なども整理しておきましょう。
賃貸契約で賃貸借契約書が果たす役割とその項目
賃貸借契約書は、貸主側が安心して賃貸住居に住むための保証と貸主の経営合理化、そして、両者間の信頼関係を確立してトラブルを生まないことを目的に作成するものです。
その項目内容を国土交通省配布の賃貸住宅標準契約書ひな形をもとに概略としてまとめてみます。
賃貸契約する物件の具体的情報
物件のプロフィールともいえる部分で、住居の名称と所在地、築年数や間取りに加え、カギの有無から上下水道の種類まで事細かに設備について記されています。
契約期間と賃料
一般に契約期間は2年間であることがほとんどで、そのつど契約内容の見直しをおこないますが、借主に解約の意思がない限り基本的には更新が認められます。
賃貸料については、その額と支払い方法が記されます。
駐輪場など付属設備を使う場合の使用料や共益費が発生する場合も併記しますので、あらかじめ確認しておきましょう。
不測事態対応項目
借主や同居人の氏名・年齢とともに、借主に万が一の事態が起こった場合に備えた緊急連絡先も必要です。
また、近隣トラブルなどの際に相談連絡先をどこに定めるかなども想定し、物件所有者の氏名と管理会社の名称・連絡先を記載しておきます。
その他の重要項目
後にトラブルになりやすいのが、契約期間中の修繕費用負担割合や契約解除時の原状回復費用負担についてです。
これに関しては敷金の返却とも絡む問題のため、特に賃貸借契約書を要チェックしておく必要があるでしょう。
さらに、解約の申し入れ期間と退去までの家賃日割に関する記載も明確に把握する必要があります。
賃貸契約に必須な賃貸借契約書!契約印を押す前の注意点
特に気をつけなければならないのは、前述したような金銭に関わる注意点です。
賃貸料、共益費、修繕費、原状回復費のほかにも、更新料や更新事務手数料がかかる場合もあります。
また、当初予定になかった、あるいは予定が早まって突然契約解除をしたいような状況の際は、特約の中に違約金条項が盛り込まれていれば余分な賃料支払いが発生する可能性があります。
ただでさえ引っ越し費用で懐具合が痛む中での違約金発生は、ぜひとも避けたい注意点といえます。
そのほか、ペット(犬・猫に限らず、熱帯魚や昆虫なども含まれる)や楽器演奏に関する取り決めものちにトラブルを生む要因となりやすいので、賃貸借契約書の中で明確にしておくなど、注意が必要です。